こんにちは、お久しぶりです。
今回は、帝国の娘を紹介します。

【題名】帝国の娘
【著者】須賀 しのぶ
【冊数】上下巻
【シリーズ】流血女神伝シリーズ
【ジャンル】ファンタジー 

帝国の娘 上 (角川文庫)帝国の娘 上 (角川文庫)
須賀 しのぶ

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帝国の娘 下 (角川文庫)帝国の娘 下 (角川文庫)
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最近までこの本の存在自体知らなかったのですが、
もともと、少女小説レーベルである、コバルト文庫の
流血女神伝というシリーズの最初のエピソードを
加筆修正して一般文庫で出したものだそうです。

雪の中ひとりで猟に出ていた村娘カリエの前に、
ひとりの青年エディアルド(エド)があらわれ、突然さらわれます。
カリエは実は、この国の第四皇子と顔がそっくりで、
病弱な皇子の身代わりになることを強いられます。
カリエは王位継承権を他の皇子と争うために、
エドに剣術や勉強を教わり始めます。

この本、主人公のカリエがとてもいいキャラです。
突然過酷な運命にさらされますが、
それでも前向きに、強く生きていこうとします。
そんなカリエに元気をもらえます。
また、主人公以外も、魅力的な登場人物が多いです。
心理描写がしっかりしているので、
登場人物の行動に納得できるのもいい点です。

舞台となるのは、ルトヴィアという中世ヨーロッパ風の国なので、
話の雰囲気も中世ヨーロッパ風です。
架空の世界ではありますが、
古き良き(?)歴史物の少女マンガに似たような雰囲気があります。
ただ、少女マンガといっても、恋愛要素はほぼ無いです。

本書では、ほとんどルトヴィアしか出てこないのですが、
このシリーズを読み進めると、ロシア風の国や、中東風の国が出てきます。
それぞれの国に特色があり、それぞれ問題を抱えています。
それらの国の動きや内情も、徐々に分かり、シリーズ通して
読んでいて面白い点です。

ただ、本書はシリーズものですが、
残念ながら、角川書店版は続編が出ておらず、
コバルト文庫版も現在は絶版で、中古で買うなり、
図書館で借りるなりしなければ、続きが読めません。
私は図書館で借りて続きのシリーズをすべて読んでしまいました。
図書館で読んだだけで、手元には無いので、
角川書店版の続編が出版されたら、ぜひとも購入して
再度読みたいと考えています。
いろいろ難しいのかもしれませんが、
角川書店さんによろしくお願いしたいです。
(20178/27追記:コバルト文庫版が全巻電子書籍で購入可能になりました!
 詳細はこちらの記事をご覧ください。)


この帝国の娘だけでも、一応きりのいいところで終わっていますので、
興味がありましたらぜひ読んでいただきたい、おすすめの本です。
そして、一緒に角川書店版の続編が出版されることを待つ仲間が
増えたら(笑)うれしく思います。

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